
フォシーガってどんな薬?腎臓病に効果的?医師が解説します。

フォシーガってどんなお薬?他の薬と何が違うの?
フォシーガは、SGLT-2阻害薬という糖尿病の薬の一種です。
SGLT-2阻害薬は尿から余分な糖分を排泄する作用して、血糖値の調整をおこなう薬です。
通常血液の糖分は、腎臓の糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる身体の必要なものと、不要なものを振り分けるフィルターを通過して、尿として排泄され、尿細管(にょうさいかん)という場所で再び吸収されます。
SGLT-2阻害薬はこの尿細管での糖の吸収を抑えて、そのまま尿の一緒に糖分を排泄するようにします。
このメカニズムにより血糖を調整するだけでなく以下の効果が期待され、糖尿病の薬としてここ数年で注目されているお薬です。
- 体重を減らす
- 腎臓を守る(後で詳しく触れます。)
- 心臓を守る
- 貧血を改善する など
フォシーガの服用方法は?
フォシーガは飲み薬です。
1日1回食事後に服用するだけで良いので、比較的利便性は高いですね。
フォシーガ錠は5mgと10mgがあり、必要性や用途に応じて量を調整していきます。
フォシーガの副反応は?
フォシーガの副反応は以下のようなものがあります。
- 脱水
- 尿の感染症
- 性器の感染症
- 低血糖 など
いずれも頻度は少ないものですが、対策としてフォシーガを服用するときは、しっかり水をしっかり飲んでください。
また、ご飯やお水が飲めないような病気になった時(=シックデイの時)は、低血糖や脱水になるリスクが増えるので休薬して医師に相談してください。
フォシーガが腎臓に良いって本当?
フォシーガは糖尿病の治療薬として使われていましたが、腎機能を保護する薬として今までも注目を集めており、糖尿病の患者さんには積極的に使用されていました。
2020年にこの腎臓を保護する効果は糖尿病でなくても認めるという報告が出て、2021年9月より日本で糖尿病が原因ではない腎臓病にも保健適用が通り、医療機関から処方することが可能となりました。
ただし、フォシーガの腎保護効果について明らかになっていることと、明らかになっていないことがあり、積極的に使用したい場合とそうではない場合を筆者の主観で以下のように分けてみました。
積極的に使用したい場合(筆者の主観)
以下のような場合は、積極的に検討しても良いと思います。
- 糖尿病がある場合
- 尿蛋白が出ている場合
- 心不全がある場合
- IgA腎症がある場合
そうでない場合(筆者の主観)
以下のような場合は、どの程度効果があるかはまだ不透明です。今後の報告内容と照らし合わせてこの記事でも適宜アップデートしていきます。
- 尿蛋白が出ていない場合
- eGFRが30以下の場合
最後に
フォシーガの腎保護効果は、数年前から注目されており腎臓病の患者さんにとって朗報の薬だと思います。
ただし腎臓の状態や、腎機能障害の原因に合わせて期待できる効果が異なるので適宜主治医との相談が必要と筆者は考えます。
参考