腎臓辞典

腎臓に良い日常生活

腎臓病とタバコ

腎臓病患者さんでタバコを吸っている人は必ず禁煙しましょう。

タバコは腎臓病に以下のような影響を与えます。

  • 腎臓の障害(*1)
  • 心臓や脳への障害

1日20本以上のタバコを吸っていると人工透析などの腎代替療法が必要になる可能性は4-5倍も上昇すると言われています。(*2)

また、腎臓病の人は元々心不全や脳卒中になる可能性が高いのにも関わらず、タバコを吸っていることでさらにリスクが上がると言われています。(*3)

食事や運動を頑張っていてもタバコを吸っているとそれらをすべて帳消しするぐらいの悪影響があると考えてもらって良いと思います。

タバコは中々辞められないので、禁煙外来などを上手く利用すると良いです。

電子タバコが一時期注目を集めていましたが、電子タバコも腎臓を悪くする可能性が指摘されているので、完全禁煙が望ましいでしょう。(*4)

腎臓病とアルコール

一昔前まではアルコールは適量だと身体に良いとされていましたが、近年適量でも健康にとって望ましくないという報告も出てきました。

腎臓病患者さんにとって、アルコールは適量なら良いのか、良いなら適量はどの程度なのかについてはまだ分かっていませんが少なくとも飲み過ぎはよくないようです。

あくまで目安ですが一般的な適度の飲酒量は1日あたり20g程度と言われており、これはビール1缶、ワイン1.5杯ぐらいに相当します。

腎臓病と睡眠

睡眠の障害は高血圧、糖尿病を介して腎臓に障害を与えると考えられています。

何時間寝るのが良いかはまだ分かっていません。

個人的には過去に6時間以内の睡眠と6時間以上の睡眠を比べて、6時間以上の睡眠の方が血圧、血糖に良い影響を与えているという研究があり、目安として6時間以上の睡眠を推奨しています。

また、以下のような症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

  • いびきが強い
  • いびきが止まる
  • 日中に眠い
  • 血圧の薬の効きが悪い など

これらの症状が当てはまる方は睡眠無呼吸症候群の検査をおすすめします。

腎臓病と肥満

腎臓病では肥満が以下のような影響を与えます。

  • 血圧・血糖のコントロールがしづらくなる
  • 心臓・脳への負担を増やす
  • 腎臓を障害する

特に脂肪組織が過剰に身体に貯まると、血圧・血糖のメカニズムを介して腎臓の障害するだけでなく、脂肪組織が腎臓を障害する物質を作り直接腎臓を障害する可能性が指摘されています。(*5)

そのため食生活・運動習慣を改善して減量を行うことが望ましいです。

腎臓病と歯周病

腎臓病だと口腔内衛生が悪くなりやすく、歯周病になりやすくなります。

歯周病の原因となるP.gingivalis(ジンジバリス)などの菌が血管に侵入して、腎臓を含めた全身の血管を障害する可能性が指摘されており、歯科治療が腎臓病の治療として注目を集めています。

 

「参考文献」

*1:Healthy lifestyle and risk of kidney disease progression, atherosclerotic events, and death in CKD: findings from the Chronic Renal Insufficiency Cohort Study

*2:Smoking Is a Risk Factor for the Progression of Idiopathic Membranous Nephropathy

*3:Smoking increases the risk of all-cause and cardiovascular mortality in patients with chronic kidney disease

*4:Chronic smokeless tobacco consumption contributes to the development of renal diseases in the human male volunteers

*5:Metabolic syndrome and kidney disease: a systematic review and meta-analysis