腎臓辞典

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは

ネフローゼ症候群とは、腎臓からタンパクが「大量」に漏れる病気が原因で、血液中のタンパク質が足りなくなる状態を言います。

ネフローゼ症候群は一つの病気を指すのではなく、糖尿病性腎症・微小変化型ネフローゼ・膜性腎症・多発性骨髄腫などが原因でおきるタンパクが漏れ出て、血液中に不足している状態をさします。

血液中のタンパク質が足りなくなると、以下のような症状が起きます。

  • 脱水になる。
  • 免疫力が低下する。
  • 浮腫む、体重が増える など

ネフローゼ症候群になると、血液中の水分が足りないのに、全身に水分がたまるという理解が難しい状態になります。

ネフローゼ症候群の原因

ネフローゼ症候群の原因は以下のようなものがあります。

  • 糖尿病性腎症
  • 微小変化型ネフローゼ
  • 膜性腎症
  • 多発性骨髄腫
  • 巣状分節性糸球体硬化症
  • 膜性増性糸球体腎炎 など

原因によって治療が変わるので、原因を早急に見つける必要があります。

ネフローゼ症候群の検査

問診

まずは問診で以下のようなことを聞きます。

  • 何日前、何週間前から症状がでているか
  • 他にどのような病気になっているか
  • 家族に腎臓が悪い患者さんがいるか など

採血・採尿・画像検査

採血検査で「血液中のタンパクが減っているか」、採尿検査で「尿にタンパク出ているか」を中心に調べます。加えて画像検査も行います。

  • 採血:総蛋白、アルブミン、HbA1c、免疫グロブリン、補体など
  • 採尿:尿タンパク、尿潜血、尿中NAG・β2ミクログロブリンなど
  • 画像検査:エコーで腎臓の形やサイズを確認する など

腎生検

問診、採血、採尿、画像検査を行った上で必要であれば、腎生検(じんせいけん)という検査をします。

腎生検とは、腎臓の組織をとってきて顕微鏡で評価する方法で診断します。

腎臓の細胞レベルの変化がわかるので、診断をつけるという意味で一番良い検査です。

ネフローゼ症候群の治療

ネフローゼ症候群の根本的な治療は、原因によって異なります。

根本的な治療は診断をつけてから行うことが多いですが、病気の経過から病気の推測が可能で、診断をつける前に治療を行うこともあります。

また、根本的な治療ではありませんが、全身の状態を整えるために以下のような治療をします。

  • 体の水分の調整
  • 血液をサラサラにする
  • 免疫物質を補充する など