腎臓辞典

シスタチンC

シスタチンCとは

シスタチンCとは血液中のタンパクの一つです腎機能の評価のために使用される血液検査の項目の一つです。

腎臓の糸球体と呼ばれるろ過機能を果たす場所を自由に通過することができ、腎機能が悪くなり糸球体が壊れるとシスタチンCが尿から出ていかず血液中の残ってしまいます。

結果、腎機能が悪くなればなるほど、シスタチンCの濃度が上がります。

シスタチンCの基準値

シスタチンCの基準値は、0.6-0.9mg/L程度です。

ただし、シスタチンCは年齢、性別によって解釈が異なるため特別な計算式に入れてeGFRcysという値を出すことで評価をします。

eGFRcysが60以下になると腎臓病の可能性があります。

シスタチンCのメリット

腎機能の指標として、クレアチニンと呼ばれる検査を使用するのが一般的ですが、クレアチニンは以下の影響を受けやすいという難点があります。

  • 食事・炎症の影響
  • 筋肉量・運動の影響
  • 肝機能の影響
  • 加齢の影響

そのため、時折クレアチニンによる評価が正確な腎機能を示さない時があります。

このようなときにシスタチンCで評価をします。具体的には、以下のようなときにシスタチンCでの腎機能評価を行います。

  • 筋肉量が多い
  • 高齢者
  • 小児 など

シスタチンCのデメリット

一方で以下のような場合は、シスタチンCが正確な腎機能を示さないこともあります。

  • 甲状腺機能亢進症及び低下症
  • メラノーマ
  • 直腸癌
  • HIV感染症
  • 薬剤 (ステロイド、シクロスポリン) を内服中 など

またクレアチニンとは異なり、3か月に1度しか保険診療として採血をすることができません。

シスタチンCの測定方法

シスタチンCは、採血検査で分かります。

腎臓内科や一部の内科のクリニックで測定をしております。

シスタチンCは一般的な採血検査の項目と異なり、特別な検査のため採血を行ってから1週間程度は結果が出るまでに時間がかかります。