
腎臓辞典
腎臓と足のむくみ

足のむくみが起きるメカニズム
むくみは、皮膚の下にある皮下組織などの組織の水分(組織間液)が異常にたまることで起きます。
通常、人間の体の水分は、組織間液、細胞内、血管内などにバランス良く分布していますが、以下のようなことが起きるとバランスを崩します。
- 血液中のタンパク質が足りなくなる
- 体全体の水分量が多い
そのため、腎臓からタンパクを失なったり、尿の量が減ると足のむくみが出ます。
足のむくみ以外の症状
足のむくみ以外にも以下のような症状が出ることがあります。
これらの足のむくみ以外の症状は、原因特定のために大切な情報になります。
- 顔のむくみ
- まぶたの腫れ
- 尿が少ない
- 倦怠感 など
足のむくみが起きる原因
腎臓が関わるむくみの原因となる病気は以下のような病気があります。
- 腎臓病
- ネフローゼ症候群 など
ただし腎臓以外にもむくみの原因となる病気はあり、以下のような病気があります。
- 心臓の病気(うっ血性心不全など)
- 肝臓の病気(肝硬変など)
- 甲状腺の病気 など
また、血液の流れが原因となるものもあります。
- 下肢静脈瘤
- 下肢の静脈弁不全 など
病気だけでなく以下のような影響を受けてむくみが出ることもあります。
- 薬
- 立ち仕事
- 足の筋力低下 など
足のむくみの診療で行う検査
むくみで医療機関を受診した場合は、まずむくみの原因を突き止めるために以下のような検査を行います。
血液検査
主に腎機能、肝機能、甲状腺などの評価を行います。
また血液中のタンパクの量なども測定して、身体の中で起きているむくみのメカニズムの評価も行います。
尿検査
尿検査で多量にタンパクが検出されるかを確認します。
多量のタンパクが出ている時は、ネフローゼ症候群などの腎臓の病気を強く疑います。
胸部レントゲン
うっ血性心不全と呼ばれる心臓の病気がないかの確認のために行います。
足のむくみの治療
むくみの治療は原因によって変わります。
いずれかの臓器に原因がある場合は、その臓器で起きている異常に対して治療を行います。
腎機能の低下が原因の場合は、尿量が少ないことが多く、利尿剤を使用して余分な水分を尿から出す治療を行います。