
腎臓病の初期症状

腎臓病の初期症状はあまりない
腎臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、腎臓病の初期症状は基本ありません。
代表的なむくみ、頻尿、疲れやすさなどの症状は腎臓病が進行してから起きる症状です。
健康診断などで異常を指摘されても、症状がないから放置して、結果透析が必要になってしまう方を一定数いらっしゃいます。
腎臓病の症状のメカニズム
腎臓という臓器の主な役割は以下の3つです。
- 身体に必要なものを尿から出さないようにする。
- 身体に不要なものを尿として外に出すようにする。
- 身体にとって必要なホルモンなどを分泌する。
腎臓が悪くなるとこの3つの役割が果たせなくなり、様々な症状が出ます。
むくみ
体に不要な水分を出せなくなることで水が貯まり、むくみが出ます。
水が過剰に貯まりすぎると肺に水がたまり呼吸が苦しくなることもあります。
むくみが出る病気は、腎臓以外にも肝臓、甲状腺、心臓などの病気のこともあるので注意が必要です。
詳しくは「腎臓と足のむくみ」のページをご参照ください。
尿量低下
健康な人の尿量は、1日あたり約1リットルから2リットル程度です。
腎臓病が進行すると、最初は尿を濃くする能力が衰えて尿量は増えます。
更に進行すると、尿を作る能力が衰えて尿量が減ります。
尿の量が減るのは、腎臓病がかなり進行してからなので、そのような症状がある場合は、血液検査などで腎臓の状態を確認することをおすすめします。
倦怠感
尿毒素と呼ばれる毒素がからだに貯まることで起きます。
ただし、尿毒素で倦怠感が起きるのは、腎臓の状態がかなり悪くなっているときです。
倦怠感が起きるのは、腎臓の他にも貧血、心不全、甲状腺機能低下など様々な原因があります。
貧血
腎臓は血液を作る作用のあるエリスロポエチンというホルモンを出します。
腎臓が悪くなると、エリスロポエチンの分泌が減り、貧血になります。
貧血になる原因は、腎臓以外に鉄分不足、ビタミンB12の不足など様々な原因があるので血液検査で適宜原因を調べていく必要があります。
詳しくは「腎臓と貧血」のページをご参照ください。
その他
その他、以下のような多彩な症状がでます。
- かゆみ
- 高血圧
- 骨が脆くなる
- 筋力が低下する など
また目に見えなくても、心臓や脳など腎臓以外の臓器に合併症を引き起こす可能性があります。
腎臓と合併症について詳しくは「腎臓病で知ってほしい合併症4つ」をご参照ください。
症状がなくても医療機関へ
腎臓の症状が出てくるのは、腎臓の障害がかなり進行してからのことが多いです。
腎臓病を早期に発見するためには、血液検査・尿検査で異常値を見つける必要があり、すでに健康診断で指摘されている場合は一度医療機関への受診を勧めます。
医療機関では特別な血液検査・尿検査を適宜を行い腎臓の再評価を行います。