腎臓辞典

eGFR

こんにちは。

採血検査などに記載がある「eGFR」という値をご覧になったことがありますか?

実は、このeGFRという値は非常に重要で、腎臓病の患者さんに絶対覚えて頂きたい採血項目です。

eGFRを理解することで、自分の状況や自分が行っている治療について理解が深まり、不安が解消したり、自分のおこなうべき生活習慣が見えてきます。

少し分かりづらい部分もあると思いますが、何がなんでも理解をしてください。

eGFRとは

あまりピンとこないかもしれませんが、まず最初に厳密に説明します。

eGFRとは「腎臓の糸球体で1分間に濾過される血液量」のことです。

腎機能を評価するときに、我々は糸球体と呼ばれる箇所に着目します。

糸球体は、腎臓にとって最も大切な必要なものと不要のものを振り分ける大切な役割を担います。

この糸球体の処理能力を腎機能の評価としてみています。

ただこの説明をしてもあまり分からないと思うので、イメージとして以下のように伝えることもあります。

eGFRとは「100点満点で、あなたの腎臓が現在何点かを示す値」で、60点以下で腎臓病であり、10-15点以下で透析や移植が必要にある。

この説明の方が分かりやすいと考える方が多いです。

ただし、eGFRが糸球体の濾過量であり、この濾過量が腎機能を示しているという理解があると、何かと理解が進むので、大変かもしれませんが、上級者の方は是非、eGFRの理解を正確にしてみましょう。

eGFRとクレアチニンの意外な関係性

1分間の処理する量をずっと見るわけにはいかないので、血液に含まれている特定の物質の量をみて、推定します。

その特定の物質があの有名なクレアチニンです。

血液中のクレアチニンを年齢・性別を組み込んだ特別な計算式に組み、出したのeGFRという値になります。

つまりクレアチニンとeGFRはある種一緒なんですね。

では何故、クレアチニンじゃなくてeGFRを使うのでしょうか?

eGFRとクレアチニンの違い

クレアチニンとの大きな違いは以下の2点にあります。

  • クレアチニンよりも誤解が少ない
  • クレアチニンよりも分かりやすい

1つ目にクレアチニンという値は、誤解が生じやすいです。

特に年齢の影響が加味されていないため、同じ値でも年齢によって解釈が大きく変わってしまいます。

2つ目にクレアチニンは若干腎機能の推移が分かりづらいことがあります。ちょっと難しかもしれませんが腎機能が重症のときは大きく動き、腎機能が初期のときは小さく動きます。

例えば、50歳の男性のクレアチニンが以下の2つのパターンで0.5mg/dlずつ上昇したとしましょう。

A クレアチニン 1.0 → 1.5mg/dl

B クレアチニン 3.0 → 3.5mg/dl

Aの時は、腎機能が大きく悪くなっていますが、Bの時は、比較的そうでもありません。

上のA.Bのクレアチニンという値をeGFRに換算すると以下のようになります。

A eGFR 63.1 → 40.5 ml/min/1.73m2

B eGFR 19 → 16 ml/min/1.73m2

Aパターンの時は、eGFRが20以上下がっており、かなり腎機能の低下が進んでいますが、Bパターンの時は、eGFRが3しか下がっていないので、少しの低下と考えます。

eGFRでわかる腎機能のステージ

そこで採血結果のみで腎機能低下を判断できるeGFRは優れた指標がつかわれています。

腎機能の重症度はeGFRの値によって6つの段階に分けて評価されています。

  1. G1(eGFR90以上)⇒異常なし
  2. G2(eGFR60以上90未満)⇒正常もしくは軽度低下
  3. G3a(eGFR45以上60未満)⇒軽度腎機能低下
  4. G3b(eGFR30以上45未満)⇒中度腎機能低下
  5. G4(eGFR15以上30未満)⇒高度腎機能低下
  6. G5(eGFR15未満)⇒末期腎不全

G3のレベル以下の場合には、腎臓病と判断されるため早期に治療を行ってください。

またG5のステージだと、末期腎不全と診断され、人工透析や腎移植といった治療が必要となってきます。

eGFRが低い時の検査

実際にeGFRが低いと診断された場合に行なわれる検査には代表例があります。

その代表例2点をここではご紹介していきます。

シスタチンC

シスタチンCは特別な採血項目であり、通常の健康診断では計測されません。

特に筋肉量が多い男性に有効な採血項目であり、クレアチニンよりも外的影響を受けにくいシスタチンCを計測することで、腎機能を測定していきます。

尿蛋白

健康診断で行なわれる尿検査は「定性検査」を用いることで、(ー)、(1+)といった検査が出てきます。

しかし、これでは正確な値が測れないため、専門的な尿蛋白検査では「定量検査」を用いているんですね。

この定量検査では、尿中に何グラムタンパク質が出ているかを検査し正確な腎機能の値を評価します。