腎臓辞典

タンパク尿

尿タンパクとは

尿タンパクとは、尿にタンパクが混じっている状態です。

腎臓という臓器は「必要な物を体に留めて、不要な物を尿として体の外に出す」臓器です。

腎臓の糸球体(しきゅうたい)というフィルターのような構造がこの役割を担っており、タンパクは私達の体にとって必要な物なため原則外に出る事はありません。

尿タンパクの役割

尿検査として尿タンパクを評価する意義として以下の2つが挙げられます。

  1. 腎臓のSOSとして、腎疾患の早期発見の役割を果たす。
  2. 腎臓の治療効果として、治療が上手くいっているかの指標の役割を果たす。

腎臓のSOSとしての役割

尿にタンパクが混じるという事は、「出ていくはずのない蛋白が尿に出ている」という事であり、腎臓の異常がある可能性があります。

尿タンパクと将来の透析リスクをみた、下の図をご覧ください。

(CKD診療ガイド2009)

「尿タンパクが2+、3+だと17年後に透析になっている確率が圧倒的に高くなることがわかります。

放置すると透析が必要な状態になる可能性があるので放置せずにしっかり医療機関にかかることをオススメします。

腎臓の治療効果の指標としての役割

腎臓の治療を行い、腎臓の負担が減ると尿タンパクが減ります。

例えば、もともと尿タンパクが2g/日出ていた人が、治療を行い尿タンパクが1g/日に減ると、透析が必要になるリスクが各段に減ります。

血液検査のeGFRと尿検査の尿タンパクが腎臓の状態の評価に基本になります。

尿タンパクが出る原因

基本的に蛋白尿が出る原因は、大きく3パターンあります。

  1. 生活習慣病
  2. 免疫や遺伝などの生活習慣病以外
  3. 異常のないタンパク尿

生活習慣病

生活習慣病が原因高血圧・糖尿病・喫煙などの生活習慣病を背景とする腎障害で起きるものがこちらに当たります。

日本で腎障害が起きて、透析という医療が必要になる患者の40-50%が糖尿病を背景する腎障害の「糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)」です。

10-20%程度が高血圧・喫煙などの動脈硬化が原因で起きる「腎硬化症(じんこうかしょう)」です。

その他にも肥満を原因とする「肥満関連腎症」などがあります。

生活習慣病以外

免疫や遺伝などが原因生活習慣病以外が原因となる腎障害、IgA腎症・多発性のう胞腎・巣状糸球体硬化症・微小変化型ネフローゼ症候群・血管炎などこちらに当たります。

日本で割合が多いのが、IgA腎症です。

異常のないタンパク尿

時折、体の構造上蛋白尿が出やすい患者さんも時折います。こちらは腎臓に異常が無いための治療は必要ありません。

医療機関で行うこと

  1. 尿タンパクを詳しく調べる
  2. 血尿がないかを確認する
  3. 適宜、血液検査、画像検査、病理検査を行う

尿タンパクを詳しく調べる

実は健康診断などで使われる尿検査は、不正確な部分もあり、もう少し詳しく調べることが出来ます。

例えば、脱水だったりすると、尿タンパクが出ていないにも関わらず、尿タンパク出ていると判定されることがあります。

そのため、実際の出ているタンパク尿の量をグラムで測定する定量検査を行うとより正確に調べることが出来ます。

また可能であれば朝一番の尿検査である早朝尿での測定が一番正確ですので、正確に調べたい時は早朝尿を使います。

血尿がないか確認する

タンパク尿に加えて、血尿が出ていると、早急に対応しなくてはならない疾患があるのでしっかり精査する必要があります。

尿路結石などの血尿が出る疾患がある場合や、女性で生理中の場合は評価しずらいので、申し出をしたり、時期をずらして検査をするのが望ましいと思います。

以下の場合は専門医の所で精査をする事が望ましいと思われます。

・タンパク尿2+以上が続く、もしくは定量検査で0.5g/日以上が続く。

・タンパク尿1+以上かつ血尿1+以上が続く。

適宜、血液検査、画像検査、病理検査を行う

適宜、画像検査・病理検査を採尿検査で異常が本当にありそうであれば、採血検査・CT・超音波検査などを行います。

腎臓の現在の状態や腎臓の形を評価することで、背景にある原因を予想します。

その上で、必要時には腎生検(じんせいけん)という検査を行い、腎臓の組織を採って、病理学的に評価を行います。