腎臓とタンパク質

腎臓とタンパク質

腎臓病だと、腎臓を守るためにタンパク質を控えることは望ましいと考えられ、食事療法の一環として、行われています。

近年、タンパク質を控えることに関して、肯定的な考え方、否定的な考え方があり、それらも含めて情報提供の記事を書こうと思います。

最初に申し上げると個人的見解としては、食事療法の中でタンパク質の制限の優先順位はあまり高くないと考えています。

タンパク質を控えるメリット

タンパク質は必要以上にとると不要な老廃物が増えて、腎臓の糸球体(しきゅうたい)という老廃物をやり取りする場所に負荷を与えます。

また「尿毒素」という毒素や、「リン」という動脈硬化や骨折を引き起こすミネラルを身体にためてしまいます。

これらは特に、腎臓病のステージ4~5の状態になった時につよく影響を与えるので腎臓病が進行した時にはタンパク質をへらすことは有効です。

タンパク質を減らすデメリット

一方で、タンパク質を減らすデメリットもあるので注意が必要です。

腎臓の状態が悪くなると、筋肉が衰えやすくなります。事実、健康な人とくらべて、身体機能が7割まで低下すると言われています。

タンパク質を減らすことで筋力の衰えやすくなるので、タンパク質を控えるならしっかり炭水化物や脂質でカロリーを補う必要があります。

院長
院長

医療の現場では、「制限」という言葉が、過剰に印象付けられて、最終的に、「何も食べない」という選択をされて、筋力が衰えて寝たきりの状態になる方が多いです。

また、腎臓病の患者さんは他の患者さんに比べて食事量が少ないことが分かっています。

これは食事の制限により精神的ストレスが溜まっていることが関係していると言われており、日本の腎臓病ガイドラインでも精神的なストレスのケアを行う必要性があると記載されています。

院長
院長

食べてはいけないの一点張りで、ノイローゼのような状態になる方が一定するいらっしゃいます。

タンパク質を減らす意義について

近年、腎臓内科医の間で、「タンパク質を減らすことで本当に腎臓って守られているの?」ということが話題になっています。

もともと25年ほど前にMDRD studyという研究が組まれて「タンパクを控えた方が腎臓を守ることが出来る!」という趣旨の研究結果が出て話題になりました。

その後、同じような研究がいくつか組まれましたが、効果があるという結果と、効果がないという結果が混在し、未だ結論はでていません。

院長
院長

2018年にヨーロッパの学会で発表したのですが、その時もタンパク制限について肯定的な意見と否定的な意見が分かれていて世界的にみても良く分かっていないことが分かりました。

個人的見解は?

答えがでていないので、あくまで個人的見解ですが、「食事療法の中でタンパク質の制限の優先順位はあまり高くない」と考えています。

腎臓の食事療法は塩分、野菜、糖質など色々考えるべきことがあります。優先順位をつけて優先度の高いものからしっかり取り組むべきです。

その上でタンパク質の制限に関しては以下のように解釈しています。

・腎臓病ステージ4.5だと比較的タンパク制限の効果が期待できる
・植物性タンパクは動物性タンパクよりも害がなさそう
・高齢者の場合はタンパク制限には注意が必要

塩分もダメ、野菜もダメ、タンパクもダメとなりがちですが、優先順位を付ける必要があります。

またリスクも伴うのでもしタンパク制限の食事療法をしっかりやるなら、管理栄養士や腎臓内科医の指導のもと行うのが望ましいです。

遠慮なくご相談ください

タンパク質を控える食事療法は医師の考え方や、患者さんの状態で、行った方が良い時と、行わない方が良い時があります。

赤羽内科・腎臓内科では、クリニックでは珍しく管理栄養士が在籍しており、悩みの多い食事の話のご相談を受け付けております。何かご不明なことがあれば遠慮なく、お問い合わせください。

院長
院長

透析予防の腎臓医療は当院にお任せください。赤羽内科・腎臓内科のホームページはこちら。

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