豚肉

豚肉

豚肉について

豚肉には主にたんぱく質やビタミンB1、ナイアシンなどが含まれています。

ただし、豚肉は部位や加工の有無によって含まれる栄養成分が異なります。
バラや肩ロースは脂肪が多い部位で、たんぱく質は比較的少なめです。ヒレやももは脂肪が少ない部位で、たんぱく質やビタミンB1を豊富に含んでいます。加工品であるベーコンやハムはリンが多く含まれています。

それぞれの特徴を確認して購入しましょう。
また、生の豚肉は淡いピンク色で光沢があり、脂身は粘りがあって硬いものを選びましょう。

 

栄養成分(100g)

成分 バラ 肩ロース ヒレ ベーコン ハム
糖質(g) 0.1 0.1 0.3 0.3 2.0
脂質(g) 35.4 19.2 3.7 39.1 14.5
タンパク質(g) 14.4 17.1 22.2 12.9 18.6
リン(mg) 130 160 230 230 280
リン/タンパク質比 9.0 9.4 10.4 17.8 15.0
カリウム(mg) 240 300 430 210 290
食塩相当量(g) 0.1 0.1 0.1 2.0 2.3
エネルギー(kcal) 336 237 118 400 211

日本食品標準成分表2020年(八訂)より

 

腎臓病患者さんの食べ方のポイント

肉は適度に脂肪がある部位を選びましょう。

バラや肩ロースは脂肪の割合が多い部位なので、たんぱく質制限をされている方にはおすすめです。

一方でヒレやももはたんぱく質とカリウムを比較的多く含むため、食べられる量に限りがあります。
全く食べてはいけない、というわけではありませんが、ボリュームは少なくなるため、物足りなく感じることがあります。たまねぎやトマトなどのカリウムが少ない野菜と組み合わせて量を多く見せるように工夫しましょう。

そして、注意が必要なのはベーコンやハムなどの加工品です。
加工の過程で無機リンと呼ばれる食品添加物を使用しているため、リンの含有量が多くなっています。
リンを制限されている方はできるだけ避けるのをおすすめします。

 

腎臓病患者さんのおススメレシピ①

豚バラとミニトマトのガリバタポン炒め


■材料(2人前)大まかな所要時間:15分

  • 豚バラ肉…100g
  • ミニトマト…6個程度(90g)
  • にんにく…1片
  • バター…4g
  • ポン酢しょうゆ…小さじ2

■手順

  1. 豚バラ肉は幅4~5cmに、ミニトマトは半分に切る。にんにくはみじん切りにする。
  2. フライパンにバターとにんにくをいれ、にんにくの香りがするまで中火で炒める。
  3. 豚バラ肉を入れ、よく火を通す。
  4. ミニトマトとポン酢しょうゆを入れてさっと炒める。
  5. 皿に盛り付けてできあがり。
【1人分】
エネルギー:217kcal たんぱく質:8.1g カリウム:270mg リン:86mg リン/たんぱく比:10.6 食塩相当量:0.6g
ひとくちメモ

豚バラとバターでコクを出しながら、ミニトマトとポン酢しょうゆでさっぱりとした味にし、くどくなく食べられるようにました。
にんにくとバター、ポン酢しょうゆの組み合わせは、薄味でもおいしく食べられるのでおすすめです。

 

腎臓病患者さんのおススメレシピ②

焼きなすのそぼろ肉あんかけ


■材料(2人前)大まかな所要時間:25分

  • 豚ひき肉…100g
  • なす…80g
  • しょうが…1/2片
  • しょうゆ…小さじ1
  • 砂糖…小さじ2
  • ごま油…小さじ2
  • 水溶き片栗粉…片栗粉小さじ2に大さじ1と1/2の水を加えたもの
  • 削り節…4g ※かつおだし取るときに使用
  • 熱湯…120mL ※かつおだし取るときに使用

■手順

  1. なすは幅1~2cm程度の輪切りにし、水に10分程度浸す。しょうがはすりおろす。
  2. かつおだしを取る。削り節を耐熱容器に入れたら、沸騰直後の熱湯を入れてラップをかける。3~4分程度置いたら、茶こしなどで濾す。
  3. フライパンを中火で熱し、ごま油を半量を入れてなすを焼く。焼き色がついたら裏返し、蓋をして蒸し焼きにする。
  4. なすを皿に移し、同じフライパンに残りのごま油を入れ、ひき肉を炒める。
  5. ひき肉によく火が通ったら、かつおだし、しょうゆ、砂糖、すりおろしたしょうがを加え、5分程度煮詰める。
  6. 火を止め、水溶き片栗粉を3回程度に分けて加え、混ぜ合わせる。再度弱火にかけて、とろみをつける。
  7. なすの上にかけてできあがり。
【1人分】
エネルギー:173kcal たんぱく質:9.7g カリウム:270mg リン:88mg リン/たんぱく比:9.0 食塩相当量:0.5g
ひとくちメモ

あんにすると舌の上で味を長く感じることができ、薄味でも満足感が得られるため、減塩につながります。焼きなすにそぼろ肉あんをよく絡めて召し上がってください。
また、カリウムの量が気になる方は、なすを水さらしをした後に5分程度ゆで、キッチンペーパーなどでよく水けを切ってから焼きましょう。