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腎臓リハビリテーションのクラウドファンディングについて

こんにちは、管理人の腎臓内科医の森 維久郎です。

2020年3月に保存期CKDにおける腎臓リハビリテーションのクラウドファンディングに成功したためご報告をさせて頂きます。

クラウドファンディング達成のご報告(2020.3)

47名の方々から合計82万円ご支援を頂きました。誠にありがとうございます。

クラウドファンディングで3万円以上のご支援を頂いた方々

皆さまからお預かりした資金は以下のようなものを作成するために使用をさせて頂きます。

1年が経過してのご報告(2020.4-2021.3)

2020.5.18 赤羽もり内科・腎臓内科の診療開始

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、腎臓リハビリテーションだけでなく腎臓病の診療を受けたいという患者さんすら来院されない状況が続きました。

6月頃から管理栄養士の若子による栄養指導を皮切りに、7月から作業療法士の杉山による腎臓リハビリテーション外来を開始しました。

新型コロナが落ち着くにつれて、少しずつ腎臓リハビリテーションを希望される方が増えて1年間で約50名ほどの方に運動療法を中心としたプログラムを実践していただきました。

栄養指導についても年間500件のペースで提供しました。

2021.3 腎臓リハビリテーション学会で発表

作業療法士の杉山が第11回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会で口演演題「保存期CKDに対する運動療法の身体機能・腎機能に与える影響を検証した一例」を発表しました。

腎臓病ステージG4A3の方に運動療法を提供したところ、尿蛋白が著明に改善したため、学会で発表させていただきました。

腎臓病の診療では、尿蛋白が減ることは良い治療経過を得ている証で、腎臓リハビリテーションへの期待が高まる発表だったと思います。

 

情報発信について

当初、腎臓リハビリテーションドットコムというオウンドメディアを作成して情報配信していましたが、アクセスが全く上がりませんでした。

SEO(検索エンジンに対する最適化)を見直してして、多くの方に情報を届けるためにクリニックのホームページとオウンドメディア腎臓内科ドットコムに記事の内容を移行させていただきました。

 

2年が経過してのご報告(2021.4-2022.3)

腎臓リハビリテーション外来の課題を整理

腎臓リハビリテーション外来とその他のリハビリテーション外来の大きな違いは患者さんにペイン(痛み)がないことです。

整形外科リハビリテーションなら膝の痛み、心臓リハビリテーションなら過去の心筋梗塞の痛みを克服することが継続の動機になります。

しかし腎臓リハビリテーションでは痛みが全く伴わないため、動機付けが難しく、IoTの導入など試行錯誤してみましたが途中で離脱する患者さんが一定数出てしまいました。

一方で、整形外科疾患、心臓疾患のリハビリテーションと異なりリスク管理における専門的な介入の必要性は少ない印象でした。

2022年2月 腎臓リハビリテーションの提供方法を変更

課題を解決するため以下の2つの変更をしました。

  • 維持期における腎臓リハビリテーションの担い手を管理栄養士に変更する
  • 体組成計で経時的な変化を可視化する

当初は、腎臓リハビリテーション外来(30分)と栄養指導(30分)を別の日に行っていました。

2月から、導入としてリハビリセラピストと栄養指導が共同で腎臓リハビリテーション外来+栄養指導(合計60分)を行い、その後維持期としては管理栄養士が単独で栄養指導(30分)の際に簡単な身体機能の測定と動機付けを入れることにしました。

特に保存期CKDの患者のおけるリハビリテーションは、特別な機材を使ったり、身体機能の制限がある条件下でのリハビリテーションではなく、自宅の歩行やレジスタンス運動を促し、疾病への理解、食事療法と並行して行うリハビリテーションのため維持期の担い手は管理栄養士であると考えたためです。

保存期CKDにおける腎臓リハビリテーションは保険収載が限定的であり、基本的にリハビリセラピストの人件費は医療機関からの持ち出しになります。

腎臓リハビリテーション提供のサステイナビリティを考えた場合、保険収載が取れないリハビリセラピストから保険収載が取れる管理栄養士へのタスクシフティングをいかに設計していくかも長期的に必要な観点だと思います。

また、INBODY770を購入して、体組成計を測定して筋肉量の見える化を行い、サルコペニア・フレイルの早期発見・啓発に繋げたいと思います。

情報発信について

Google検索の「腎臓リハビリテーション」で1位になった影響もあり、多くの方に腎臓リハビリテーションの情報提供ができたと思います。

2021年度のページビューや再生回数は以下のようなものになります。

  • 腎臓リハビリテーション(クリニックホームページ):172310ページビュー
  • 腎臓リハビリテーション(腎臓内科ドットコム):6838ページビュー
  • Youtube:98461 回再生

当初クラウドファンディングで頂いた情報配信分の資金を有効活用できていなかったので取り合えず一安心しました。