チーズ
チーズについて
チーズには主にカルシウム、たんぱく質、脂質、ビタミンAなどが含まれています。
ただし、チーズの種類によって含まれる栄養素には違いがあるので注意が必要です。
例えば、クリームチーズは他のチーズと比較して100g当たりの脂質が多く、カルシウムは少ないのが特徴です。
モッツァレラチーズは100g当たりの食塩相当量は少なく、ビタミンAは含まれていません。
購入する際は栄養成分表示を見てみましょう。
また、チーズは種類によって味や風味、食感も違うので、好みのチーズを探してみましょう。
栄養成分(100g)
成分 | プロセスチーズ | クリームチーズ | モッツァレラチーズ | パルメザンチーズ (粉チーズ) |
---|---|---|---|---|
糖質(g) | 1.3 | 2.3 | 4.2 | 1.9 |
脂質(g) | 26 | 33 | 19.9 | 30.8 |
タンパク質(g) | 22.7 | 8.2 | 18.4 | 44 |
リン(mg) | 730 | 85 | 260 | 850 |
リン/タンパク質比 | 32.2 | 10.4 | 14.1 | 19.3 |
カリウム(mg) | 60 | 70 | 20 | 120 |
食塩相当量(g) | 2.8 | 0.7 | 0.2 | 3.8 |
エネルギー(kcal) | 313 | 313 | 269 | 445 |
腎臓病患者さんの食べ方のポイント
チーズを選ぶときに気になるのは、たんぱく質とリン、そしてたんぱく質の中に含まれるリンの値を示したリン/たんぱく質比です。
上記の表からもわかるように、リン/たんぱく質比が高いのはプロセスチーズです。
プロセスチーズは、加工の過程で乳化剤やpH剤などのリン添加物が使用されているため、リン/たんぱく質比が高くなっています。
プロセスチーズの中でもスライスチーズのとろけるタイプは比較的リンが少ないのでおすすめです。
たんぱく質やリンを制限されている方はリン/たんぱく質比が比較的低めのナチュラルチーズを選ぶと良いでしょう。
厳しい制限をされている方は、主治医に相談しましょう。
腎臓病患者さんのおススメレシピ①
ほうれん草のおかかチーズ和え
■材料(2人前)大まかな所要時間:15分
- ほうれん草…140g
- パルメザンチーズ(粉チーズ)…大さじ1
- 削り節…小袋1(2g)
- しょうゆ…小さじ2/3
■手順
- 鍋にお湯を沸かし、ほうれん草を2分程度ゆでる。ゆであがったら冷水にさらし、よく水けを切る。
- ほうれん草を3cm程度に切り、ボウルに入れる。
- しょうゆを加えてよく混ぜ、粉チーズと削り節を加えてさらによく混ぜる。
- 皿に盛り付けてできあがり。
【1人分】
エネルギー:31kcal たんぱく質3.7g カリウム:290mg
リン:60mg リン/たんぱく比:16.2 食塩相当量:0.4g
ひとくちメモ
「ほうれん草の和え物にチーズ?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、チーズと削り節のうま味がほうれん草の甘味とよく合うのでおすすめの組み合わせです。
ほうれん草は短めに切ると調味料を混ぜ合わせやすくなります。
クリームチーズやモッツァレラチーズとも合うので、粉チーズの独特の香りが苦手な方は試してみていただければと思います。
腎臓病患者さんのおススメレシピ②
たまねぎのコンソメ煮 チーズのせ
■材料(2人前)大まかな所要時間:15分
- たまねぎ…100g
- とろけるチーズ…1/2枚(10g)
- 顆粒コンソメ…小さじ1/2
- バター…4g
- 水…50mL
- 黒こしょう…少々
■手順
- たまねぎは薄切りにして10分程度水にさらす。
- フライパンにバターを入れて中火で熱し、水けをよく切ったたまねぎを入れてあめ色になるまで炒める。
- あめ色になったら、コンソメと水を入れ、水けがなくなるまで煮詰める。
- 水けがなくなったらチーズをのせ、フライパンに蓋をしてチーズが溶けるまで弱火で蒸す。
- チーズが溶けたら器に盛り、黒こしょうをかけてできあがり。
【1人分】
エネルギー:43kcal たんぱく質:1.5g カリウム:49mg
リン:47mg リン/たんぱく比:31.3 食塩相当量:0.4g
ひとくちメモ
たまねぎを使った簡単な副菜です。
チーズのコクと塩味でたまねぎの甘味が引き立ちます。
今回はコンソメ煮にしましたが、水の量を200mLに増やせばオニオンスープにもなります。
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