腎臓と食事

ほうじ茶は本当に腎臓に良い?

まずは結論

結論から申し上げますとほうじ茶を飲むと腎臓が良くなるわけではなく、過去の臨床研究でほうじ茶が腎臓を良くしたというデータは全くありません。

ただしほうじ茶には、以下のようなメリットがあります。

  • お茶の中でカリウムが比較的少なめ
  • お茶の中でリンが比較的少なめ

そのため、以下ような患者さんでお茶が好きでどうしても飲みたいという方にはオススメのお茶なのかもしれません。

  • 透析をしている患者さん
  • 透析が必要になる直前の患者さん

一方で、腎臓病でも初期~中等度(←約7-8割の方がここに該当します)でカリウム・リンを厳格に制限する必要がない患者さんは敢えてほうじ茶を選んで飲む必要はないと思います。

ほうじ茶とカリウム

腎臓病が悪くなりカリウムが血液にたまって起きる不整脈を予防するためにカリウムを減らすのであり、カリウムを減らしても腎臓が良くなるわけではありません。

つまり血液検査でカリウムが高くなければ、カリウムを制限する必要はありません。逆にカリウムが低すぎると腎臓を悪くなるので、血液検査の結果をみて必要であればカリウムを控えるという認識を持ちましょう。

そして実際カリウムの制限が必要になるのは、人によりますが以下のような背景の方が多くすべての腎臓病の患者さんの約2-3割程度と筆者は考えています。

  • eGFR30以下の人
  • カリウムを上げる薬を飲んでいる人

詳しくは「カリウムが高いと言われたら」のページをご参照ください。

ほうじ茶とリン

リンは減らすことで腎機能低下を抑制する可能性があります。

ほうじ茶だけでなく、以下のお茶もリンが比較的少ないと言われています。

  • 麦茶
  • 玄米茶
  • ウーロン茶 など

逆に以下のお茶にはリンが多く含まれています。

  • 玉露
  • 抹茶 など

ただし、玉露であっても含まれているリンは牛乳の3分の1くらいで、缶コーヒー、オレンジジュース、コーラよりも少ないです。

認識としてはお茶を飲むときは、ウーロン茶・麦茶・玄米茶・ウーロン茶の方がベターという程度で良いと思います。(透析をしていたり、透析直前の方は除きます。)

またペットボトルのお茶には添加物が入り、無機リンが入っている可能性があります。

せっかくリンを減らそうと思ってこれらの茶を選んでも、ほうじ茶と一緒に含まれる添加物がリンを増やしている可能性があります。

無機リンは表示の義務がないので、どのくらいの無機リンが入っているかは分かりません。

ほうじ茶と腎臓に関する私見

患者さんにお茶の質問をされたときに、患者さんの状態によって異なりますが以下のように答えています。

お茶を選ぶときには、玉露や抹茶などの濃いお茶ではなく、ほうじ茶・麦茶・ウーロン茶の方がベターです。

ただし、腎機能がそこまで低下していない場合はあまり固執して考える必要はないと思います。

何故かインターネットでほうじ茶が腎臓をよくするという噂が流れているようで、飲み物を全てほうじ茶にしてますという患者さんに結構出会います。(本当です。)

腎臓の食事の情報との付き合い方

「〇〇を食べると腎臓に良い」という情報は、9割以上間違っています。(もしくは間違った伝わり方をしている。)

患者さんの状態によって異なり、腎臓に対する影響の仕方も異なります。

腎臓の食事の情報とうまく付き合うには、しっかりと腎臓のメカニズムや食事の影響を学習する必要があります。

過去に腎臓を保護する要因を調べた研究が行われ、患者さんが腎臓の学習して理解することが腎臓を保護することが分かりました。

 

患者さんに、「腎臓を悪くしないために何が一番効果的ですか」と聞かれたら、「腎臓のことを学習することです」と伝えています。

少なくとも以下の記事は理解して頂きたいと思います。

腎臓の学習をするのは、根気がいることかもしれません。

しかし、しっかり学習をすることで「〇〇が腎臓に良い」に惑わされ、もぐらたたきを続ける必要がなくなります。

急がば回れです。このサイトで是非腎臓のことを学習してください。